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養育費が未払いに……。公正証書がない場合の対処法とは

2023年09月05日
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養育費が未払いに……。公正証書がない場合の対処法とは

仙台市では、養育費の取り決めを行い、債務名義化(強制執行認諾文言付きの公正証書化)するときに必要となった経費補助として、「養育費に関する公正証書等作成促進補助」のサポートを行っています。

子どもがいる家庭が離婚した場合、一方の親(親権者)が親権を持ち養育を行い、もう一方の親(非親権者)は養育費の支払いをすることになります。養育費について当事者間で決めたことを公正証書にすると、養育費が支払われない場合に強制執行の手続きを行うことが可能です。

もし養育費についての公正証書を作っておらず、相手に約束した養育費を支払ってもらえない場合はどのように対処すればいいのでしょうか。ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士が詳しく解説していきます。

1、養育費の支払い義務とは

養育費は、子どもの監護や教育のために必要な費用です。非親権者には法的に「養育費の支払い義務」があるため、親権者は非親権者に対して養育費を請求することができます。

「養育費の支払い義務」は「生活保持義務」といわれる義務です。
生活保持義務は、自分と同じ生活レベルで相手が暮らせるように保障するもので、夫婦間の扶養義務や親の未成熟子(経済的に自立できていない子ども)に対する扶養義務が該当します。

非親権者はたとえお金に余力がなくても、子どもを扶養するために養育費を支払うことが必要です。

2、公正証書がない場合でも養育費は請求できる?

公正証書とは、公証人といわれる公務員に公証役場で作成してもらう文書のことです。
養育費についての取り決めを強制執行認諾文言付きの公正証書にすれば、非親権者が取り決めを守らなかった場合に強制執行の手続きを行い、給料や預貯金などを差し押さえることで養育費を確保できます。

それでは、公正証書がない場合でも養育費を請求することはできるのでしょうか。公正証書がない場合の養育費の請求方法と、請求しても支払ってもらえない場合の対処方法について解説していきます。

  1. (1)養育費の請求方法

    公正証書がない場合でも、養育費を請求することは可能です。順を追って請求方法を確認していきましょう。

    ① 内容証明郵便
    養育費が支払われない場合にまず行うのが「内容証明郵便」の送付です。
    内容証明郵便とは、発送日や発送場所、文書の内容や差出人と受取人が誰なのかを郵便局が証明してくれる制度のことをいいます。利用するときは、一緒に「配達証明」を付けることで、相手へ確実に郵便が届いたことの証明が可能です。

    内容証明郵便を送ると、相手に「養育費を支払わないと裁判になるかもしれない」というプレッシャーを与えることができます。ただし、内容証明郵便は強制執行を伴うものではなく、あくまでも「未払い分を支払ってほしい」という催促にとどまる点にご留意ください。

    そのため、内容証明郵便を送っても支払ってもらえない場合は、調停を申し立てましょう。

    ② 調停
    内容証明郵便送付後も未払い状態が改善しない場合、家庭裁判所に養育費(請求)調停を申し立てて「養育費を支払ってほしい」と主張します。
    調停とは、裁判官1名と調停委員2名の計3名で構成される調停委員会と共に、当事者同士で話し合いを行って争いを解決する制度です。

    調停では、会いたくない相手に直接会うことなく話し合いを行ったり、調停委員会からアドバイスを受けたりすることができます。

    ただ、調停はあくまでも「話し合い」で争いを解決する制度です。それゆえに、話し合いがまとまらず調停が不成立になる場合もあるでしょう。
    養育費の支払いに相手が合意した場合は、裁判所に調停調書を作成してもらえますが、合意してもらえなかった場合には、自動的に審判の手続きに移行します。

    ③ 審判
    養育費調停が成立しなかった場合に行われるのが、審判です。
    裁判所の審判では、申し立てをした側と受けた側両方の意見や提出された資料を裁判官が検討して、決定(審判)を下します。

    審判が確定すると、裁判所によって審判書が作成されます。審判書の内容に当事者は従わなければいけません。それゆえに「養育費を支払え」という審判を下してもらえれば、相手に養育費を支払ってもらうことが可能です。

  2. (2)請求後も払わない場合の対処方法

    調停・審判を経て養育費を請求しても、相手に支払ってもらえないこともあります。その場合の対処方法について、みていきましょう。

    ① 履行勧告
    調停や審判で決まった内容を相手が守らない場合は、家庭裁判所に「履行勧告」をしてもらうことができます。履行勧告は、調停や審判での取り決めを守らない債務者に対して、裁判所が支払いを促す制度です。

    流れとしてはまず、調停や審判を行った家庭裁判所に対して、書面や口頭、電話などを利用して履行勧告の申し立てを行います。次に申し出を受けた家庭裁判所が調査を行い、その結果、養育費が未払いの状態であると確認すると、相手に「養育費を支払いなさい」と勧告することになります。

    ただし、強制力がないため、相手に必ず養育費を支払ってもらえるというわけではありません。

    ② 強制執行
    履行勧告をしてもらっても相手に養育費を支払ってもらえない場合は、「強制執行」の手続きを行いましょう。

    強制執行とは、債務者が債務を履行しない場合に、裁判所によって強制的に債務者の債務を履行してもらう制度です。

    養育費の未払い請求には、強制執行に使われる手段の中でも「債権執行」という手段が使われます。債権執行は、債務者の給料や預貯金を差し押さえて支払いを受ける手段です。

    債権執行の流れとしてはまず、養育費を支払わない非親権者の住む地域の地方裁判所に申し立てを行います。家庭裁判所ではなく、地方裁判所であることに気をつけましょう。

    申し立てを受けた地方裁判所は「債権差押命令」を出します。
    債権差押命令が出されると、親権者は非親権者の給料を受け取る勤務先の会社や、預貯金のある銀行などからお金を受け取ることが可能になります。

3、養育費の請求には時効がある?

養育費の支払いは毎月定期的に支払いをするよう取り決めるケースがほとんどですが、支払ってもらう日を過ぎているにもかかわらず未払いの状態が何年も続くことがあります。

その状態のまま養育費を請求せずにある期間経過すると、「時効」によって請求する権利を失ってしまうことがあるのです。これを「債権の消滅時効」といいますが、時効になる期間は、養育費の取り決めを行った方法によって異なります。詳しくみていきましょう。

  1. (1)口頭

    口頭で養育費の取り決めを行うと、支払日の翌日から「5年」経過した時点で時効が成立します。そのため、5年より前に月々支払ってもらう予定であった養育費分を請求することができません。

    たとえば、「毎月5万円養育費を支払う」と口頭で取り決めを行ったとしましょう。
    支払期日の翌日から6年たっても支払いしてもらえず未払い分を請求した場合、1年分の養育費である60万円は請求できませんが、5年分の養育費300万円は請求することができます。

  2. (2)公正証書

    養育費についての取り決めを公正証書にしていた場合も、時効は「5年」で成立します。

    また、公正証書ではなく「離婚協議書」という合意書を作成した場合も同様に時効が成立する期間は「5年」です。

    離婚協議書とは、協議離婚で作成される契約書であり、公正証書よりも強制力が弱いものですが、どちらも夫婦間の取り決めを記載した文書であるという共通点があります。

    公正証書であっても離婚協議書であっても、支払期日の翌日から5年経過すると、それ以前の未払い分を請求できなくなるため注意が必要です。

  3. (3)調停・審判

    調停や審判によって養育費の取り決めをした場合、未払いの養育費の発生時期が調停や審判が成立する前なのか後なのかによって異なります。

    調停や審判が成立する前の未払いについては「10年」、成立後の未払いについては「5年」で時効が成立して請求することができなくなるのです。

    たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。

    • 令和元年(2019年)に離婚が成立したが養育費について話し合いがまとまらず調停を行う
    • 令和2年(2020年)に調停で養育費の支払いについて合意する
    • 令和5年(2023年)現在になっても支払ってもらえない


    このようなケースでは、令和元年(2019年)の養育費をもらえたはずの日から令和2年(2020年)の調停が成立する前までの養育費の未払い分は、10年経過すると請求できなくなります。
    一方、調停成立後の令和2年(2020年)から令和5年(2023年)現在までの養育費の未払い分は、5年経過すると請求できなくなるのです。

    調停や審判の成立前後で養育費請求の時効は異なるため、注意しましょう。

    ここまで、時効が成立すると未払いの養育費を請求できなくなると説明してきましたが、実は、時効が成立する期間を過ぎた後でも請求ができることがあります。時効が成立するには、債務者が「時効なのでもう支払いません」という意思を債権者に伝える(時効の援用)必要があるからです。

    そのため、養育費が支払われず時効の期間が過ぎてしまった場合でも、非親権者が時効の援用を行わず、自分の意思で払ってくれるという場合には、親権者は養育費を受け取ることができます。

4、養育費の未払い問題を弁護士に相談するメリット

養育費の未払い問題を早期に解決するには弁護士への相談・依頼がおすすめです。

公正証書を作成していた場合は強制執行の手続きを行ったり、作成していない場合は内容証明郵便を送って調停を起こしたりするように、解決方法はケースによって異なります。
弁護士であれば、状況に応じて最適な解決方法を提案することが可能です。

また、相手と直接連絡を取り合いたくない場合の対応や調停・審判などの手続きについても、弁護士に代理人として対応してもらうことができます。

養育費未払いの解決方法について悩んでいる間に時効が成立してしまうこともあるため、困ったらすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

5、まとめ

養育費について公正証書を作成せず、支払われない場合であっても養育費を請求することができます。

まずは内容証明郵便を送付して、それでも支払われなければ調停、調停もまとまらなければ審判を行って養育費を請求しましょう。それでも支払われない場合は、履行勧告や強制執行という方法があります。

また、養育費の未払い分は時効が成立すると請求することができなくなるため、早めに弁護士に相談しましょう。

ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスには、女性弁護士も在籍しており、多角的な視点からアドバイス・サポートをすることが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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