【前編】児童買春をしてしまった……自首した方がいい? 弁護士が回答します
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SNSで知り合った16歳の女子高生に18歳未満と知りながら現金を渡し、仙台市内のホテルで性交渉したとして、宮城県大崎市在住の男が、児童買春・ポルノ禁止法違反の容疑で、平成31年1月に逮捕されました。
厳しい罰則規定が設けられているにもかかわらず、児童買春という犯罪行為はあとを絶ちません。もし一時の過ちで児童買春の罪を犯してしまったら、すみやかに自首したほうがよいのか悩んでいる方も少なくないでしょう。
そこで、「児童買春をやってしまった、でも発覚していないし捜査の手も及んでいない」という段階で取るべき行動について、ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士が解説します。
1、児童買春罪の重さとは?
児童買春・ポルノ禁止法の正式名称は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」です。
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(1)児童買春とは?
同法第2条によりますと、児童買春とは以下のように定義されます。
- 児童(18歳未満)、児童に対する性行為などの仲立ち(周旋)をしたもの、児童の保護者、児童をその支配下に置いている者、のいずれかに対して、
- お金などの対償を渡し、あるいはその約束をして、
- 性交または性交類似行為などをすること。
つまり、相手が18歳未満だと知りながら、お金を渡して性的な行為などに及んだ場合は、たとえ相手との合意があろうと児童買春という犯罪になるのです。
いわゆる「援助交際」や「パパ活」についても、相手が18歳未満であり金銭のやり取りなどと性行為が伴えば児童買春・ポルノ禁止法違反として逮捕される可能性があります。 -
(2)児童買春への罰則は?
児童買春・ポルノ禁止法第4条では、児童買春をした者に対し「5年以下の懲役または300万円以下の罰金」に処すと定めています。
また、宮城県青少年健全育成条例第31条においても「青少年に対しみだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない」としており、これに対する罰則は同41条において「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」とされています。
児童買春・ポルノ禁止法と宮城県青少年健全育成条例の違いは、性行為等に対する対価の有無です。いずれにせよ、18歳未満の人との性行為には、厳しい罰則が科されているのです。
さらに、被害者に対する強制わいせつ罪が成立した場合は刑法第176条により「6ヶ月以上10年以下の懲役」、強制性交等罪が成立した場合は刑法第177条により「5年以上の有期懲役」が科されることになります。
強制わいせつ罪と強制性交等罪は、被害者に暴行または脅迫を用いてわいせつな行為や性行為を強要した場合に適用されます。なお、被害者が13歳未満であれば強要や合意の有無に関係なく強制わいせつ罪や強制性交等罪が成立する可能性があります。
2、自首とは? なぜ自首した方がいいのか
児童買春の公訴時効は、5年です。つまり5年を経過すると、検察官は、あなたを児童買春で起訴できなくなるのです。しかし、捜査機関の捜査力や児童買春の重大性を考慮すると、公訴時効の成立を期待しすぎるのが良くないケースがあります。
もしあなたが児童買春のような罪を犯しているのであれば、その事実が発覚し捜査機関に逮捕される前に自首したほうがよいのか、悩む方もいるでしょう。自首が成立すると、以下のようなメリットが期待できると考えられます。
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(1)刑の軽減が期待できる
刑法第42条では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と定められています。
また、自首による刑の軽減が認められると、刑法第68条により有期懲役刑または禁錮刑の場合は刑期が長期および短期の2分の1が軽減されるとされています。先述のとおり児童買春罪の量刑は懲役5年以下ですから、これが2年6ヶ月以下に短縮されることになります。
ただし、刑法第42条の規定は、裁判官に対する任意的なものです。仮に自首が成立したとしても、事件の悪質さの度合い次第では必ずしも刑の軽減が受けられるわけではないことに注意が必要です。 -
(2)逮捕・勾留の回避が期待できる
逮捕や勾留は、犯人に逃亡や罪証隠滅のおそれなどがある場合に、裁判官によって認められるものです。したがって、自首することにより逃亡や罪証隠滅のおそれなどがないと判断された場合は、逮捕や勾留される可能性が低くなります。
もし、逮捕を回避できれば、起訴・不起訴が確定するまでの間は在宅事件扱いとなります。在宅事件扱いになれば、捜査機関による取り調べなどの要請に応じるほかは、普段と変わらない生活が送ることができるでしょう。また、自首することで、逮捕のために、捜査当局が家族や勤務先へ接触する可能性が低くなることもメリットといえるでしょう。
後編では、引き続き仙台オフィスの弁護士が自首が成立する要件や、自首する前に弁護士に相談するメリットについて解説します。>後編はこちら
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