【後編】リフォーム詐欺で逮捕されたら!? 量刑や逮捕後の流れ
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前編では、リフォーム詐欺が犯罪として立件される要件を中心に説明しました。万が一あなたが、これは詐欺行為だと認識して行動していた場合、それが勤務先などで強要された行為であっても罪に問われ、重い刑罰が科される可能性があります。
では、実際に逮捕されてしまったとき、どのように捜査が進むのか、将来に大きな影響を及ぼさないようにするためにできることはあるのかなどについて、ご存じでしょうか。
後半も引き続き、仙台オフィスの弁護士が解説します。
4、詐欺の時効について
時効が完成すれば、基本的には法的な責任を問われることがなくなります。
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(1)刑事裁判の場合
刑事手続きにおける時効を、公訴時効といいます。詐欺罪の場合、公訴時効は被疑者による詐欺行為が終わってから7年と定められています。
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(2)民事訴訟の場合
民事訴訟における損害賠償請求権の時効は、被害者が損害及び加害者を知った時から、3年になります。
詐欺行為から20年以内で、被害者が損害及び加害者を知ったときから3年が経過すると、詐欺被害による損害賠償請求権は時効となります。
詐欺行為の発生から20年を経過すると、被害者が損害及び加害者を知った時点に関係なく、基本的には被害者から損害賠償請求権が消滅します。
5、リフォーム詐欺で逮捕されたあとの流れ
リフォーム詐欺の容疑で逮捕されると、およそ3日間にわたって留置所などで身柄拘束されます。ただし、検察官が在宅の捜査で十分と判断した場合などは、このかぎりではありません。
身柄拘束中は、外出もメールも電話もできません。手紙を出すことすら厳しく制限されます。また、身柄拘束が長引き、弁護士以外の接見(面会のこと)が禁止される「接見禁止」が付けられ、ご家族であろうと面会ができなくなることがあります。
事件の内容次第では、裁判の期間を含めると長期間の拘束となる可能性があります。これにより、被疑者として逮捕された人が受ける影響は公私にわたって大きなものになると考えられます。
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(1)逮捕
逮捕には現行犯逮捕や緊急逮捕などいくつかの種類がありますが、リフォーム詐欺のみが疑われているケースでは通常逮捕となるケースも多いです。
被害者の訴えにより、捜査によって逮捕に足りる証拠が固められると、司法警察職員などは、裁判官に逮捕状の請求を行います。そして裁判官から逮捕状が発布されてから、初めて逮捕が可能となります。 -
(2)勾留
逮捕された後、検察官は、さらに10日間の身柄拘束(勾留)が必要か否かを、被疑者を受け取ったときから24時間以内に判断します。検察官の判断次第では起訴する・しないに関係なく、この時点で釈放されることもあり得ます。しかし、証拠隠滅や逃亡の疑いがあるなどと判断された場合は引き続き10日間勾留され取り調べを受けることもあります。勾留後も、検察官の判断次第でさらに10日間の勾留延長が求められることもあります。つまり、逮捕されてから起訴されるまでは最長でおよそ23日間も身柄を拘束されることになるのです。
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(3)起訴
検察官による取り調べなどの結果、不起訴処分が相当となど判断されれば釈放され、前科が付くことはありません。しかし、起訴されれば被告人として、刑事裁判にかけられます。起訴されてから1回目の裁判が終わるまでは、数ヶ月以上かかることもあるでしょう。1回目の裁判の結果(判決)に納得がいかず、高等裁判所に控訴することになれば、判決が確定するまでさらに時間がかかることになります。
日本における刑事裁判では、起訴されてしまうと高確率で有罪となります。有罪判決が確定すれば前科が付くことになります。そして、無罪判決や執行猶予付判決などではなかった場合は、刑務所に送られることになります。
6、自首することのメリット
あなたが明らかにリフォーム詐欺に加担しており逮捕されたら有罪もあり得ると考えられる場合は、事実が発覚し捜査機関に逮捕される前に自首することもありえます。
刑法第42条の規定により自首した人には刑の軽減があり得るからです。また、自首による刑の軽減が認められた場合、刑法第68条により有期懲役刑または禁錮刑の場合は刑期が長期および短期の2分の1が軽減されるとされています。先述のとおり詐欺罪の量刑は懲役10年以下ですから、これが5年以下に短縮されることになります。
ただし、刑法第42条の規定は任意的なものです。自首したとしても事案の内容次第では必ずしも刑の軽減が受けられるわけではありません。しかし、量刑の軽減の可能性があること、これ以上リフォーム詐欺に加担する必要がなくなることなどを考えれば、早いうちに自首することも一つの手段です。
7、早期に弁護士に依頼するメリット
もしあなたがリフォーム詐欺の加害者であると認識した場合は、できるだけ早いうちに弁護士の助言を受けることをおすすめします。
弁護士はあなたの行為が詐欺という犯罪行為に該当するか否かの見極めや、あなたが自首する場合に捜査機関に対してどのように説明すべきかということなどについて、あなたの立場にたって親身に説明します。また、自首する際は警察まで同行することも可能です。
また、逮捕されたとしても弁護士はあなたの早期釈放に向けさまざまな弁護活動を行います。特にリフォーム詐欺のような事件の場合、釈放や不起訴処分、あるいは執行猶予付判決などを目指すためには、できる限り早いうちに被害者との間で示談交渉を成立させることが非常に重要です。
逮捕され勾留された本人はもちろんのこと、加害者の家族でさえ、被害者と示談交渉を行うことは被害者の心情面などを考慮すると非常に難しいものと考えられます。しかし、詐欺事件の被害者側との示談交渉に豊富な経験と実績をもつ弁護士であれば、被害者の心情を踏まえた示談交渉さらにはあなたの早期釈放につながるような結果が期待できます。
8、まとめ
あなたがリフォーム詐欺の加害者である場合に取るべき対応について説明しました。
時計の針は元に戻せません。早いうちに自首し被害者に対して罪を償うことも、罪悪感にさいなまれる日々から解放されるための近道だと考えられるケースもあります。その前に相談できる弁護士は心強く、そして頼りになる存在となるでしょう。
ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士は、あなたや被害者の状況を考え、できる限り将来への影響が残らないように尽力いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています