【後編】盗撮行為で現場から逃走。警察から後日逮捕される可能性は?
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前編では、盗撮事件で逮捕されるまでの流れや刑罰について解説いたしました。後編では、起訴を回避するためにするべきことや弁護士に依頼するメリットについて解説いたします。
3、起訴を回避するため、逮捕前にするべきこと
盗撮行為は、盗撮の様態、対象によっては非常に重い刑罰が科されることもありえます。不当に重い罪を負うことがないよう、逮捕される前にできる対策について解説します。
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(1)被害者との示談交渉
被害者が存在する事件では、捜査機関による判断において、被害者の処罰感情は非常に重視されます。よって、示談の成否は大きな判断材料のひとつとなります。つまり、逮捕前に示談が成立していれば逮捕を回避でき、逮捕後では長期勾留や起訴を回避できる可能性が高まるということです。
刑事事件における示談書では、加害者が損害賠償を約束し、一方で被害者は加害者に対し「罪を許し加害者の処罰を望まない」などの「宥恕(ゆうじょ)」の意思を示してもらうことが一般的です。
すでに盗撮行為が警察に認知されている場合は特に、被害者との示談交渉を優先して行います。しかし、盗撮は性犯罪の一種であり、捜査機関が被害者の連絡先を加害者に伝えることは基本的にありません。示談交渉は弁護士を介してのみ応じるケースがほとんどといえるでしょう。被害届が出されたなら、できるだけ早く、弁護士に示談交渉を依頼することが重要です。 -
(2)自首
反省の意思を示すことで、罪を軽くするために「自首」を行うのもひとつの方法です。ただし、「すでに犯人は発覚しており、所在地のみわからない」という場合に自ら罪を告白しても、自首は成立しません。
自首する前に、自らの行為を包み隠さず弁護士に話し、相談することをおすすめします。弁護士は守秘義務がありますので、自首するかどうかにかかわらず内容を外部に漏らすことはありません。
4、弁護士に依頼するメリット
数多くの刑事事件に対応した経験を積んでいる弁護士は、第三者の視点で冷静に事態を分析し、最適な処遇となるような弁護活動を行います。捜査のプロセスを熟知した弁護士に任せることで、事態を悪化させずにすむ可能性が高まりまるでしょう。
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(1)72時間以内の釈放に向け迅速に対応
逮捕にいたった場合、警察での取り調べは48時間以内、その後検察に送致された場合はさらに24時間以内で取り調べが行われます。その72時間でも捜査がたりず、引き続き身柄の拘束を行う場合は「勾留(こうりゅう)請求」を裁判所に対して行います。
これが裁判所に認められると最長で20日間ものあいだ身柄を拘束され、自宅に帰ることも仕事に行くこともできません。ひとたび勾留が認められてしまえば、その後の生活への影響は避けられないでしょう。
逮捕後は時間との勝負です。この限られた72時間以内で、捜査機関に対して釈放を求めるための合理的な証拠をそろえて提示する必要があります。しかし、この間、基本的に家族や友人は被疑者と、「接見」もできず、状況を把握することが難しくなります。自由な接見を行い、被疑者の状況を把握して直接アドバイスを行い、家族の気持ちや状況を伝えられるのは、弁護士だけに限られます。
逮捕後、弁護士を早期に依頼することで、釈放の可能性を高めることができるでしょう。 -
(2)逮捕後、自由に接見できるのは弁護士だけ
逮捕後は家族であっても、証拠隠滅や口裏あわせを防ぐため基本的には面会することができません。ですが、弁護士であれば、いつでも何回でも、警察官の立ち合いなしに接見が許されています。
任意出頭の段階でも、弁護士が同行することが可能です。逮捕前であれば、被疑者は取調室の出入りは自由なので、疑問があればすぐに待機している弁護士に相談することができます。
刑事事件の経験豊富な弁護士に相談することで、自分の置かれている状況を客観的に整理し、正当な主張を行うことができます。 -
(3)示談交渉の経験が豊富
示談交渉は弁護士の専門分野のひとつです。被害者の感情に配慮しつつ、加害者にとって現実的な賠償額や支払い方法となるよう交渉します。
検察官に事件が送致され、その後起訴された場合も、示談できたことが減刑を考慮する材料となります。示談の成立が早ければ早いほど、生活や仕事への影響も最小限に抑えることができるでしょう。そのためには弁護士に交渉を依頼することが最善策といえます。
5、まとめ
弁護士は、法律を知り尽くしているとともに、捜査を受ける側に寄り添う経験を積んでいます。被疑者に重すぎる刑罰が科されないための調査や、事態が収束するまで本人だけでなく家族も含めた精神的サポートも行います。
家族が逮捕されるかもしれない、自分が逮捕されるかもしれないと不安な方は、ひとりで悩まずにベリーベスト法律事務所 仙台オフィスで相談してください。不安を抱えたまま過ごすより、将来に及ぶ影響を最小限にとどめるための行動を起こすことをおすすめします。
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