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ペットに遺産を相続させるには? 信託契約や遺言書の作成方法を弁護士が解説

2020年12月17日
  • 遺産を残す方
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ペットに遺産を相続させるには? 信託契約や遺言書の作成方法を弁護士が解説

仙台市は、平成18年に「仙台市動物愛護行政の基本指針」を策定し、人と動物が共に健康に生きていけるまちを目指して、さまざま取り組みを行っています。

ペットは、生活を共にしている家族の一員であり、大切な存在です。
特に、ひとり暮らしの場合は「ペットが心の癒やし」という方も少なくないでしょう。しかし、自分にもしものことがあった場合、ペットの面倒を誰がみてくれるのかということが問題になります。
自身亡き後もペットが不自由なく暮らせるように、財産を相続させたいと考えるかもしれませんが、ペットには直接的な遺産相続権がありません。自身の死後、ペットに財産を残すには「負担付遺贈」や「信託契約」などの法律的な対応が必要です。

今回はペットに財産を残す方法や遺言書の作成方法などを中心に、ペットと相続に関係について仙台オフィスの弁護士が解説します。

1、飼い主の死後に起こり得る「ペット問題」とは

  1. (1)ペットには遺産相続権がない

    「自分の死後、ペットに遺産を相続させたい」と思っても、犬や猫などのペットには法律的な遺産相続権がありません。ペットは大切な家族ではあるものの、「飼い主の所有物」であるため、ペット自身が財産を所有することは認められないのです。

  2. (2)誰がペットの世話をしてくれる?

    ペットを飼育している方が亡くなったとき、誰がペットを世話するのかが問題になります。子どもや同居人がいる場合は、そのまま世話を引き継いでくれるので問題はありませんが、ひとりでペットを飼っている場合には、飼い主の死亡とともにペットが放置されてしまうという状況が想定されます。

    誰にも気がつかれなければ、大切なペットが非常に厳しい状況に置かれてしまいます。そのため、生前にしっかりとペットの行く先を検討しておくことが大切です。

2、ペットのために財産を残す方法

ペットには直接の遺産相続権がないので、遺言書を作成しても遺産そのものをペットに帰属させることはできません。ただし「人」を介して間接的にペットのために財産を使わせることは可能です。

  1. (1)遺言書による負担付遺贈

    1つ目は遺言書による方法です。

    遺言では「ある特定の負担と引き換えに財産を遺贈する」ことが可能です。これを「負担付遺贈」といいます。
    たとえば、子どもや親せきなどの親族、信頼できる友人知人などにお金や不動産を遺贈する代わりに「ペットの世話を行うこと」を義務づけることができるのです。

    受贈者は財産を受け取ることで、ペットの面倒をみる義務を負うことになります。

    ●負担付遺贈のメリット・デメリット
    負担付遺贈のメリットは、遺言者が自由に内容を決めることができ、好きなときに一方的に意思表示ができることです。
    ただし、受遺者は通常の相続と同様に相続を放棄することができます。放棄されてしまえば、ペットの世話をしてもらいたいという希望を実現できなくなる点がデメリットといえます。

    ●遺言の方法
    遺言をするときには「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」のどちらかを利用すると良いでしょう。自筆証書遺言は、添付する財産目録を除き、基本的には全文を自筆で書く遺言書です。手軽に作成できますが、要件を満たしていなければ無効になるおそれがあります。作成にあたっては、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。なお、これまでは自身で保管する必要がありましたが、令和2年7月10日より法務局で保管することが可能になりました。

    公正証書遺言は、公証役場で作成してもらい、公証役場で保管してもらう遺言書です。無効になりにくく、紛失のおそれもありません。ただし、公正役場に出向く必要があり、費用がかかるという点はデメリットといえるでしょう。

  2. (2)負担付死因贈与契約

    2つ目は、「死因贈与契約」です。

    これは、生前に財産所有者(贈与者)と受取人(受贈者)が締結する契約の一種で、「死亡を条件として財産の移転を行う」ものです。つまり死因贈与契約をしておくと、贈与者が死亡した時点で受贈者へ財産が移転します。

    遺贈は遺言者が一方的に受遺者へ財産を残す手続きですが、死因贈与は生前に贈与者と受贈者が合意して契約するという違いがあります。

    死因贈与でも、受贈者へ義務(負担)を課すことが可能です。お金や不動産を贈与するときに、ペットが亡くなるまで贈与財産を使ってしっかり面倒をみることを条件にしておけば、受贈者にペットの面倒をみることを依頼することが可能です。

    ●負担付死因贈与契約のメリット・デメリット
    負担付死因贈与のメリットは、残す側と受け取る側の双方がお互いに納得して結ぶ契約なので放棄されるおそれがなく、負担が果たされやすいことです。
    一方、しっかりと契約書を作成していない場合などには、契約内容があいまいになって義務が果たされない可能性が残ります。

    ●死因贈与契約の方法
    負担付死因贈与契約を利用したいときには、生前に受贈者と話し合いをして「死因贈与契約」を締結する必要があります。契約書を作成せず口頭の約束なども可能ですが、後に争いにならないためにも契約書を作成しましょう。

  3. (3)ペットのための信託契約

    3つ目に「信託契約」という方法があります。
    信託契約とは、簡単に説明すると、財産を信頼できる第三者へ託し、目的に沿って運用管理をしてもらう制度です。
    ペットのための信託契約については、次の章で詳しく説明します。

3、ペットのための信託契約とは

家族信託などは耳にしたことがあるかもしれませんが、ペットのための信託契約とは、どういった仕組みなのでしょうか。メリットやデメリットと、手続きの方法も合わせて理解しましょう。

  1. (1)ペットのための信託契約の仕組み

    信託契約では「委託者」「受託者」「受益者」の3者を設定する必要があります。それぞれの役割は、次の通りです。

    1. 委託者……財産を託す人
    2. 受託者……財産を託されて管理する人
    3. 受益者……財産管理によって利益を受ける人


    これら3者は全員「人間」である必要があります。ペット自身が受益者となることはできません。
    飼い主が生きている間は、「委託者」である飼い主自身が「受益者」となることもできますし、第三者を指定することも可能です。「受託者」には、友人知人など信頼できる相手を指定し、財産を預けペットために財産を管理、運用、処分してもらいます。

    委託者である飼い主が死亡した後は、ペットの新しい所有者が受益者となり、受託者より必要な費用や報酬を得てペットの世話を継続することになります。

    信託銀行などを受託者に指定し、世話人を受益者として信託銀行から財産を受益者に渡してもらい、世話を継続してもらうという方法を選択することもできます。

  2. (2)信託契約の利用方法

    信託をペットの世話に利用したいときは「信託契約の締結」が必要です。誰を受託者、受益者とするのか、またどのような方法で世話をしてもらうのかをまとめて、信託契約書を作成しましょう。契約書は公正証書にする必要はありませんが、確実に履行してもらうためにも公正証書にしておくことが望ましいといえます。

  3. (3)ペットの相続で信託を使うメリット・デメリット

    ●メリット
    信託を利用すると、遺言や死因贈与のケースとは異なり、生前からペットの世話を依頼することもできます。自身が入院するなど世話をすることが厳しくなった時点から、第三者に管理してもらえるので安心です。
    また、生前から信託を利用することで、受託者の対応を自分の目で確かめることもできます。信頼できなければ、信託契約を解約して別の人に頼むことも検討できるでしょう。

    ●デメリット
    信託契約を結ぶ場合、「委託者」「受託者」「受益者」を決める必要があります。身近に信頼できる人がいる場合は、問題はないでしょう。しかし、信託銀行などを受託者にする場合、契約締結にあたって費用が発生するほか、実際にペットの面倒をみてくれる人は自ら探す必要があります。
    また、信託財産として、まとまった費用が必要になることも留意すべき点でしょう。

4、ペットのために財産を残したい場合に弁護士に依頼するメリット

自分がこの世を去った後、財産をペットのために残すとともに、しっかりとペットの世話をしてもらいたいと考えている方は、弁護士に相談することをおすすめします。

  1. (1)最適な相続方法を選択できる

    ペットに財産を相続させることはできませんが、遺言、死因贈与、信託などの方法を利用することで、ペットの世話にかかる費用を残すことはできます。
    弁護士は、被相続人の状況や財産内容、相続人の有無、ペットの状況などに応じて最適な方法を選択し、助言することができます。

  2. (2)生前必要となる手続きを依頼できる

    ペットに相続させるための信託のスキーム作りや契約書作成、遺言書や死因贈与契約書の作成は、個人で進めるのは難しいでしょう。自己判断で契約書や書遺言を作成しても、無効になったり発見されなかったりするリスクがあります。
    弁護士に、相続に必要な法的手続きを依頼すれば、安心です。

  3. (3)遺言執行者や死因贈与執行者への就任を依頼できる

    遺言や死因贈与の内容を確実に実現させるには、遺言執行者や死因贈与執行者を選任しておくべきですが、弁護士に依頼することも可能です。
    執行者は、遺言内容や死因贈与の内容が実現されるように受遺者や受贈者に財産を渡し、負担が履行されなければ催告なども行います。

  4. (4)信託監督人への就任を依頼できる

    信託制度を利用するときには、弁護士を信託監督人に指定することが可能です。契約締結から依頼しておけば、それぞれの抱える事情なども理解した上で依頼できるので、安心感も高まるでしょう。

5、まとめ

自身亡き後、家族同然ともいえる大切なペットが変わらず生活を続けられるように、生前から対策を採っておくことが重要です。また、親族などがいない方の場合、ペットはもちろんのこと、ご自身の財産をどのようにするべきか、しっかりと考えておきたいところです。

弁護士は、トラブルが発生したときしか依頼はできないと思われるかもしれませんが、遺言書の作成など、相続対策のアドバイスも可能です。もちろん、遺言書や契約書の作成も代行します。
相続は、それぞれの生活スタイル、家族構成、財産などによって、取るべき対応は大きく異なります。しっかりとお話を伺った上で、適切なアドバイスを行いますので、遺産にまつわる、不安や心配ごとを抱えている方は、おひとりで悩まずベリーベスト法律事務所 仙台オフィスまでご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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