【後編】離婚の慰謝料は減額できる? 支払わなくていいケースや減額交渉する方法について
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前編では、慰謝料を支払わなくていいケース、慰謝料を支払う可能性のあるケース、慰謝料の減額ができる可能性のあるケースなどについて解説いたしました。
後編では、離婚慰謝料を減額交渉する際の手順・方法、裁判に移行した場合に注意すべきことなどについて、仙台オフィスの弁護士が解説いたします。
4、離婚慰謝料を減額交渉するときの手順について
慰謝料の支払いは、家庭裁判所における調停を含め夫婦当事者間の話し合いの段階であれば、事由の如何によらず夫婦のどちらが支払うか、いくら支払うか、いつまでに支払うかなどを自由に決めることができます。
この段階で留意しておきたい点は、以下のとおりです。
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(1)事実を主張する
先述のとおり、精神的苦痛を与える不法行為がなければ相手方に対して慰謝料を支払う必要などありません。慰謝料を請求される事実がなければその旨を、あるいは証拠がないなど自身に有利な点があればその旨をしっかりと主張し、相手方の請求の不当性についても論理的に主張してください。また、相手方には証拠の提示などを求めてください。
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(2)相場水準の金額を提示する
慰謝料を請求する側は、交渉の初期段階では心情面、あるいはその後の交渉を見据え承知のうえで相場水準とかけ離れた金額を請求してくることも考えられます。その際は、弁護士などと相談しながら相場水準の慰謝料を算出したうえで、相手方に提示してください。
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(3)謝罪すべき点は謝罪する
相手方は慰謝料を請求していても、実際はお金よりも謝罪の気持ちを重視しているケースは少なくありません。もしそのような相手方の気持ちがくみ取れた場合は、誠意をもって謝罪するとともに自身の資力や今後の生活に理解を求め、心情面も含めて減額を依頼すると、功を奏する場合も考えられます。
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(4)裁判への移行をちらつかせる
裁判になると、訴訟費用や裁判にかける労力、時間などの追加コストが双方に生じます。慰謝料の金額について相手方が折れない場合、裁判に移行することをほのめかすことで相手方に費用対効果を意識させることができます。ここでもし相手方が自己の主張と裁判にかけるコストが見合わないと判断した場合は、妥協点を見いだしてくることも考えられます。
5、裁判へ移行したら
当事者間の話し合いで折り合いが付かない場合は、裁判に移行することになります。具体的な流れは、裁判所に損害賠償を求めて訴えを提起して、裁判所を介して相手方と主張書面などをやり取りし、裁判所から和解の提案を受けたり、和解できなければ最終的には判決が下されるといった流れになります。費用と期間は相応にかかると見込んでおくべきでしょう。
なお、裁判では慰謝料の請求について心情面よりも証拠にもとづいた法的な確かさや慣行、過去の判例などが重視されます。相手方が事実に照らして不当な金額を要求していた場合は、減額できる可能性が高くなります。
6、離婚慰謝料の減額交渉を弁護士に依頼するメリット
離婚における慰謝料の金額については、金額について明確な基準がなく双方が感情的になりやすいことから、当事者間での話し合いが難しいといわれています。特に不当な金額の慰謝料を請求されたとしても不貞行為など認めざるを得ない不法行為がある場合は、相手方と減額交渉することはさらに難しいでしょう。
そのようなときは、減額交渉について弁護士にあなたの代理を依頼することをおすすめします。離婚問題の解決に実績豊富な弁護士であれば相手方と交渉し、慰謝料を引き下げることが期待できます。
直接あなたと相手が顔を合わせて話し合うことができない状態であっても、弁護士であればあなたの同席がなくとも交渉が可能です。交渉の結果、協議離婚しようとする際には、離婚協議書を交わすなど、これ以上過剰な要求をされないよう、法的に効力がある書面を作成してもらうことが期待できます。
相手方の主張に対して納得がいかなくて交渉が難しいと考えられる場合、相手方が弁護士を立てている場合などは、これ以上あなた自身で解決を試みることは難しいものです。いち早くかつ穏便に事態を解決するためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。
7、まとめ
慰謝料は請求の根拠となる事実・金額の妥当性など夫婦双方の認識や利害関係が真っ向から対立する性質があります。さらに離婚に至る経緯の感情論もあいまって夫婦双方の話し合いでは解決の糸口すら見いだせなくなることも考えられるものです。
仮にあなたが離婚原因を作った側だとしても、慰謝料について不当な要求を受けた場合は決してのむことはありません。弁護士などと相談のうえ適切な金額を交渉してください。ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスにご依頼いただけば、速やかに交渉を代行することもできます。まずは相談することをおすすめします。
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