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葬儀の方法を指定したい|遺言書の作成は必要? 法的効力はある?

2022年06月20日
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葬儀の方法を指定したい|遺言書の作成は必要? 法的効力はある?

宮城県の調査によると、令和3年(2021年)3月31日時点において、宮城県内における65歳以上の人口は64万6330人だったそうです。高齢化率がもっとも高いのは栗原圏域で、気仙沼、本吉園域が続いています。全体をみると、総人口227万3909人の28.4%に当たり、「超高齢社会」と呼ばれる極めて高い水準です。

ご自身の死後、相続はもちろんのこと、葬儀をどのように行うかを決めておきたいと考える方は、多いのではないでしょうか。今回は、ご自身の葬儀に関する希望を相続人に伝える方法について、ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士が解説します。

出典:「高齢者人口調査結果(令和3年)」(宮城県)

1、葬儀に関する希望を親族に伝えるための方法は?

ご自身の最期をご自身で決めたいという思いの強い方は、葬儀や納骨などの方法についてもご自身で決めておきたいと考えるかと思います。

「友人をたくさん呼んで大々的に開催したい」
「家族葬にしてほしい」
「葬儀会社は〇〇社に任せたい」
「火葬の後で海に散骨してほしい」

このような要望は、親族に対してどのような形で伝えれば良いのでしょうか?

  1. (1)生前に口頭で伝えておく

    もっとも簡単な方法は、生前の段階で親族に対して、葬儀や納骨などの方法に関する希望を伝えておくことです。親族と気軽かつ十分にコミュニケーションが取れる状況であれば、口頭で希望を伝えておくのが望ましいでしょう。

    ただし、口頭のコミュニケーションでは正確に希望が伝わらない場合もあります。
    記憶違いや曲解などによって、ご自身の望む形とは異なる葬儀が行われることが心配であれば、口頭ではなく書面で希望を伝えたほうが良いでしょう。

  2. (2)遺言書の中に記載する

    書面で葬儀や納骨などに関する希望を伝える方法としては、遺言書を作成して、その中に記載する方法が検討できます。

    遺言書は、遺産分割に関わる書面であるため、全相続人が確認することになります。
    相続人全員に意志を伝えることができるので、相続人同士で意見が分かれるなどのトラブル回避にもつながるでしょう。

    注意点としては、遺言書に葬儀や納骨などに関する希望を記載したとしても、その部分は、基本的に法的拘束力を持たないという点です
    また、遺言書は民法の定める方式に従って作成する必要があります。定まった方式の条件を満たしていない遺言書は、全体として無効となることにも注意する必要があります。

  3. (3)エンディングノートを作成する

    遺言書のような法的文書の形式を取らずに、エンディングノートを作成して、葬儀や納骨などに関する希望を書き記しておくことも考えられます。

    エンディングノートとは、ご自身の人生の終末について、希望や感想などをまとめたメモのようなものです。法的効力はありませんが、葬儀や納骨に限らず、終末期医療や介護など、さまざまな事項に関する希望を書き留めておけるので、親族にとっても良い指針となるでしょう。

    エンディングノートの作成は、ご自身で簡単に行うことができます。
    遺言書を作成するほどでもないけれど、葬儀や納骨などの希望を書面で残しておきたいという場合は、エンディングノートを作成して、配偶者や子どもに託しておきましょう。

  4. (4)死後事務委任契約を締結しておく

    葬儀・納骨の方法や手順、費用の負担を具体的に取り決め、信頼できる人に任せておきたい場合には、「死後事務委任契約」を締結する方法があります。

    死後事務委任契約については、【4、死後事務委任契約とは?】で解説します。

2、祭祀主宰者は遺言書で指定できる

葬儀の希望を相続人に伝えるだけではなく、祭祀主宰者を指定しておきたい場合は、生前行為または遺言書で指定することができます。

  1. (1)祭祀主宰者(さいししゅさいしゃ)とは?

    祭祀主宰者とは、先祖のお墓を守り、供養する責任を負う者を意味します。
    各家族の宗教や地域の慣習、亡くなった本人の希望などに従い、葬儀・納骨・墓の管理などを担当します。

  2. (2)祭祀主宰者は「祭祀財産」を承継する

    祭祀主宰者について民法上重要なのは、「祭祀財産」を承継する点です。

    • 【祭祀財産】
    • ① 系譜|家系図など
    • ② 祭具|位牌・仏像・仏壇・神棚など
    • ③ 墳墓|墓地使用権・墓石・墓碑など


    これらの祭祀財産は、各相続人の法定相続分などにかかわらず、祭祀主宰者が被相続人から承継します。葬儀や納骨などについて、信頼できる人に任せたい場合には、祭祀主宰者を指定しておくと良いでしょう。

  3. (3)祭祀財産を利用した節税が可能な場合もある

    祭祀財産を生前購入すると、相続税対策として機能し、子どもなどに対して、より多くの財産を残せる可能性があります。
    祭祀財産は、相続税非課税とされています(相続税法第12条第1項第2号)。そのため、生前購入によって相続税を軽減できる場合があるためです。

    祭祀財産の購入による相続税対策を行いたい場合は、税理士のアドバイスを受けることをおすすめします。

3、遺言書内で指定する場合|遺言書の一般的な作成方法は3つ

葬儀に関する希望を遺言書の中で記載しておきたい場合や、遺言書によって祭祀主宰者を指定したい場合には、遺言書を作成する必要があります。
民法で認められている遺言書の方式には、一般的なものとして3つの方法が存在します。

  1. (1)自筆証書遺言

    「自筆証書遺言」(民法第968条)は、遺言者が全文・日付・氏名を自署し、押印する方法によって作成されます。
    遺言者が自分だけで作成することができ、保管方法も自らで決めることができるので、もっとも手軽な遺言の方式と言えます。ただし、その分遺言無効のリスクも高いことに注意が必要です。

    なお、近年の法改正により、法務局で自筆証書遺言書を保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」が創設されました。
    遺言書が民法所定の方式を満たしているかチェックをしてもらえるほか、改ざんや紛失などのリスクがないことが大きなメリットです。自筆証書遺言書を作成する際には、積極的に利用すると良いでしょう。

  2. (2)公正証書遺言

    「公正証書遺言」(民法第969条)は、公証役場において公証人が作成します。

    遺言者は公証役場に案文を持ち込み、公証人によるチェック・修正を受けます。その後、公証人と証人2名以上の立ち会いの下で、公正証書遺言が作成されます。

    公正証書遺言の原本は、公証役場で半永久的に保管されるため、改ざんや紛失などのリスクがありません。また、公証人のチェックが行われるため、遺言無効のリスクも最小化できます。
    公証人手数料が発生しますが、確実に遺言を作成したい場合には、公正証書遺言がおすすめの方式と言えます。

  3. (3)秘密証書遺言

    「秘密証書遺言」(民法第970条)とは、遺言の内容を本人以外には秘密にすることができる方式の遺言です。次の手順で作成されます。

    • 【作成の流れ】
    • ① 遺言者が、遺言書に署名・押印する
    • ② 遺言者が、「①」の遺言書を封じ、「①」と同じ印章で封印する
    • ③ 遺言者が、「②」で作成した封書を公証人と証人2人以上の前に提出して、自己の遺言書である旨と、その筆者の氏名・住所を申述する
    • ④ 公証人が、「③」の提出日と遺言者の申述内容を封紙に記載し、遺言者・証人・公証人がともに署名・押印する


    実際に相続が発生するまで、遺言書を開封できない点が、秘密証書遺言の大きな特徴です。ただし、遺言書自体は遺言者自身で管理する必要があるので紛失リスクが高く、さらに作成の方式も煩雑なため、実務上はほとんど利用されていません。

4、死後事務委任契約とは?

葬儀の段取りなどを生前に決めておくための方法としては、「死後事務委任契約」を締結することも考えられます。

死後事務委任契約とは、委任者の死後の身辺整理などについて、信頼できる受任者に任せることを内容とする契約です。葬儀についても、死後事務委任契約によって具体的な方法・手順・費用負担・喪主などを定めておけば、受任者が契約上の義務に基づき、そのとおりに段取りを整えてくれます。

死後に向けた準備をより詳細に行っておきたいと考える場合は、弁護士などに相談して、死後事務委任契約を締結することもご検討ください。

5、まとめ

ご自身の死後に備えて、葬儀の方法などをあらかじめ親族に伝えておくことは、ご自身の身じまいをご自身で決定する「終活」の観点から、非常に大きな意味があります。
口頭で葬儀の希望を親族に伝えることも考えられますが、希望内容を正しく伝え、残された親族間でのトラブルを避けるという観点からも、書面にその内容を記しておくことをおすすめします

葬儀に関する希望を親族に伝える書面として、もっとも代表的なものが遺言書です。また、エンディングノートや死後事務委任契約によっても、親族に希望を伝えることが可能なので、ご自身の状況にもっとも適した方法を選択しましょう。

ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスでは、相続にまつわるご相談を随時お受けしております。
遺産の分け方・葬儀の方法の指定、遺言内容の検討や作成手続き、遺言執行者への就任・相続税対策など、ご自身の身じまいに関わる事項を、弁護士がサポートします。
お客さまのご状況を踏まえたうえで、最適な相続対策についてアドバイスしますので、相続対策・終活に関してお悩みの方は、ぜひ一度ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスへご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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