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相続登記の義務化はいつから? 罰則規定の有無について仙台オフィスの弁護士が解説

2019年09月05日
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相続登記の義務化はいつから? 罰則規定の有無について仙台オフィスの弁護士が解説

仙台市のホームページでは、相続した空き家をリフォームや取り壊しを行ったあとに譲渡したケースにおいて、譲渡所得の特別控除を受けられる制度について案内しています。本特例措置を受けるためにはあらかじめ相続登記を行っておかなければ、適用の条件を満たせない可能性があるでしょう。

相続の対象となる遺産のうち、大きな割合を占めるのが不動産です。そして、不動産の相続については近年中に大きな法改正が予定されています。それが「相続登記の義務化」です。また、相続登記の義務化とは関係なく、相続登記をしていないことはあなた自身はもちろん、あなたの家族に不利益を生じさせることもあります。

いずれにせよ、不動産の相続登記は早めに済ませておくことがおすすめです。ここでは、相続登記を確実に行っておくべき理由と義務化される背景、そして相続登記の申請方法について、ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士が解説します。

1、相続登記とは?

不動産登記の制度とは、土地や建物の所在地・所有者・種類・面積・権利などを「登記記録」として明確化したうえで、不動産登記事項証明書として法務局に公示することです。もっとも、登記されている記録が法的にすべて正しいとはかぎりません。しかし、不動産登記には所有権などの法的な権利を第三者に主張することができる「対抗力」があります。 このため、不動産登記は、売買や抵当権を設定する場面などで、「私はこの不動産の権利者だ。」という主張の裏付けのような役割を果たす、とても重要なものなのです。

不動産登記事項証明書をみると、主に「表題部」「甲区」「乙区」のパートで構成されていることがわかります。表題部では当該不動産の所在地・面積・種類など、甲区では当該不動産の所有者名と住所、乙区では抵当権や賃借権など所有権以外の権利がそれぞれ記載されています。乙区に抵当権の記載などから、実は被相続人に借金がある事実が判明することもあるのです。

ところで、相続が発生すると、甲区記載の名義人を亡くなった被相続人から相続人に変更する手続きを行います。この手続きのことを、相続登記といいます。

2、相続登記をしないとどうなるのか?

令和元年7月現在、相続人に対して、相続登記は法的に義務付けられていません。また、相続登記をせず甲区記載の所有権名義を被相続人のままの「未相続」の状態にしておいたとしても、相続人に罰則が課されることもありません。

このため、不動産を相続しても相続登記をしない人は多く、なかには固定資産税の支払いを免れようとする方もいるようです。しかし、相続登記をしないことには多くのデメリットがあると考えられます。

  1. (1)売却や担保にすることができなくなることも

    不動産を売却する場合、通常は事前に不動産会社を通じて買い主に当該不動産の不動産登記事項証明書を提出します。

    このときに、もし当該不動産が未相続のままだと、当該不動産は売り主である相続人と名義が異なることになってしまいます。未相続のため、本当の所有者は誰なのかもわからない状態の不動産に買い手がつくことは、極めて難しいといっていいでしょう。

    金融機関などから融資を受けるための担保として当該不動産を提供する場合も、同様です。通常、金融機関は未相続の不動産を担保として受け入れないのです。

    このように、相続登記をしていないことで当該不動産をタイムリーに売却することや、担保に差し出して融資を受けることができなくなってしまうでしょう。冒頭でご紹介した特別控除が受けられなくなる可能性もあります。

    なお、売却時や抵当権設定時に相続登記がされていなかったとしても、当該不動産を相続することが明記された遺産分割協議書があれば買い主の同意次第で売却が可能な場合もあります。しかし、不動産売買契約書などにおいて、所有権の移転時までに相続登記することを求められることが多いです。

  2. (2)今後の権利関係が複雑になる可能性も

    たとえば、あなたが被相続人である父から相続により不動産を受け継いだとします。もし、あなたが当該不動産の相続登記をしないまま亡くなると、当該不動産の権利関係が複雑化することにより、あなたの相続人が大変な思いをする可能性があることを覚えておきましょう。

    なぜなら、あなたの相続人が当該不動産を自分名義とするためには、基本的には、他の相続人のほか、あなたの父の相続人全員の同意を得る必要があるためです。あなたの父の相続人のうち、もし死亡している人がいる場合は、その人の相続人の同意を得なければなりません。

    このように、2回の相続を経ているわけですから、同意を得なければならない相続人は相当な数となることも考えられます。あなたの相続人は、これらの人すべてを探し出し、同意を得なければならないのです。あなたの相続人とまったく面識がない人がいるでしょうし、そのために非協力的な人もいる可能性もあります。もしかしたら、同意に対して金銭的な見返りを要求してくる人がいるかもしれません。

    このように、あなたが相続登記を行わないことは、結果としてあなたの相続人に大きな負担を強いることになってしまう可能性があります。

  3. (3)詐欺事件に巻き込まれる懸念も

    不動産登記事項証明書などを偽造し、当該不動産の所有者になりすまして第三者の買い主に売却しお金をだまし取る詐欺事件は、あとを絶ちません。

    このような事件で狙われやすい不動産には、以下の特徴があるようです。

    • 不動産登記事項証明書上の名義人と、実際の所有者が異なっている
    • 長い年月のあいだ、不動産登記事項証明書に所有権の移動がない

    詐欺事件に巻き込まれやすい状態を作り出す原因のひとつが、相続登記を行ってなっていないことにあることが指摘されています。

3、相続登記が義務化されるって本当? 義務化はいつ?

所有者不明土地問題研究会など民間有識者による調査結果によりますと、不動産登記が行われていないために所有者が不明となっている土地は平成28年時点で約410ヘクタールと推計されており、今から約20年後には約720万ヘクタールまで拡大すると見込まれています。また、これによる経済損失は約6兆円と試算されています。

また、平成23年に発生した東日本大震災では、相続登記がされていないために不動産登記事項証明書上の所有者が何十年前も前に亡くなった方のままであった土地が多数あっため、復興事業における用地買収が大きく停滞したことが問題視されました。

このような経緯を踏まえ、これ以上の所有者不明の土地が増えることを防ぐために、平成31年2月、法務省は相続登記の義務化を含めた民法と不動産登記法の見直しを発表しました。改正案の提出は令和2年頃の臨時国会を見込んでいるため、実際の施行はその後になるでしょう。

相続登記の義務化については、施行時期と同じく罰金の有無など詳細な内容についてもまだ明らかにされていません。しかし、内容次第では施行までに相続登記の申請が込み合う可能性もあります。未相続の不動産については今のうちから相続登記を行っておいたほうが良いかもしれません。

4、相続登記を行う前に必要な手続き

必要書類や手順などについて紹介します。実際の手続きにあたっては、事前に必要書類などについて申請する法務局に確認しておくようにしてください。

  1. (1)必要書類を用意する

    不動産の相続登記で必要とされる書類は、主に、以下のとおりです。

    • 申請者の本人確認書類(住民票や除票の写し、印鑑証明書、戸籍謄本、戸籍の附票の写しなど)
    • 被相続人の確認書類(出生時から亡くなるまでの戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本、附表など)
    • 申請者が相続人であることの証明(相続関係説明図、遺産分割協議書、遺言書、自筆証書遺言であれば家庭裁判所の検認済証明書、他の相続人や代理人などに自身の相続登記手続きを依頼する場合は委任状など)
    • 不動産に関する書類(不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、名寄せ帳など)
  2. (2)登記申請書を作成する

    登記申請書の作成は、以下のケースなどで、記載内容や必要な添付書類などの作成形式が異なります。

    • 遺言書の記載内容どおりに相続するケース
    • 遺言書がなく、法定相続割合どおりに相続するケース
    • 遺言書がなく、他の相続人と遺産分割協議で合意した割合で相続するケース

    そして、原則相続する不動産番号ごとにA4用紙片面で作成します。

  3. (3)法務局に申請する

    法務局への相続登記申請には、「窓口申請」「オンライン申請」「郵送申請」の3つ方法があります。

    窓口申請は法務局まで平日の開局時間に行かなくてはならないというデメリットはありますが、窓口で各種の相談ができるメリットもあります。

    一方で、オンライン申請は自宅にいながら登記申請ができるというメリットがあります。ただし、オンライン申請をするためには電子証明書などを取得しなければなりません。また、申請内容に不備があった場合は法務局の窓口まで行かなくてはならないこともあります。

    郵送申請は、書留で送付する必要があることと、オンライン申請と同じく不備があった場合は法務局に行く必要が生じる可能性があります。

5、まとめ

相続登記を行わないことで生じる可能性があるデメリットと、今後予定されている「相続登記の義務化」のことを考えると、もし相続登記未了の不動産がある場合はお早めに手続きを済ませておくことをおすすめします。

相続登記は、手順に従えば誰でも行うことができます。しかし、不動産の相続登記をご自身で行うことは相当な負担になるものと思われます。特に相続する不動産が多ければ多いほど負担は増加します。相続登記のことは専門家に任せて、ご自身は本業など生産性があることに集中したほうが合理的といえるでしょう。

ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスでは、相続登記だけでなく相続に関する業務全般を承っております。相続登記はもちろん、相続問題でお困りのことがありましたら、事態が複雑化する前にぜひご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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