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勤務態度が悪い社員を解雇したい! 企業がとるべき対応を解説

2019年05月17日
  • 労働問題
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勤務態度が悪い社員を解雇したい! 企業がとるべき対応を解説

遅刻や欠勤を繰り返したり他の社員が嫌がる言動をしたり、業務上のミスが多いなど、勤務態度が悪い社員を放置すると職場のモラルや士気の低下が想定できます。業績の悪化を招いてしまう恐れもあるため、早期に対応しなければなりません。しかし、使用者側が不適切な解雇をしてしまうと「不当解雇である」と労働審判の申し立てや訴訟を提起されるリスクがあります。

仙台市宮城野区に位置する宮城労働局では「平成 29 年度宮城県内における個別労働紛争解決制度の施行状況」では都道府県労働局長による「助言・指導届出、あっせん申請受理件数」を発表しています。本リリースによると、解雇に関するものが31件ありました。労働局における助言指導や紛争調整委員会によるあっせんの制度でも、これだけの数があるのです。

それでも、規模や業種を問わず、勤務態度が悪い社員や能力不足の社員の対応にお悩みの方も多いでしょう。今回は、勤務態度が悪い社員にお悩みの方に対して、仙台オフィスの弁護士が解雇や懲戒処分などを行う際の対応について解説します。

1、解雇が正当に認められるための要件

解雇には、懲戒解雇と普通解雇があります。「普通解雇」は、さらに「会社の業績悪化による整理解雇」と「本人の責による普通解雇」に分類されます。

問題社員の解雇は、「懲戒解雇」または「本人の責による普通解雇」に該当すると考えられます。労働者を解雇するためには「30日前に解雇予告をするか、解雇予告手当を支払えばよい」と考えている使用者の方もいるかもしれません。しかし、解雇が法的に認められるためには解雇予告以外にも次の要件を満たす必要があります。

  1. (1)客観的かつ合理的な理由がある

    労働契約法第16条では、以下のとおり解雇するには客観的かつ合理的な理由が必要であることを定めています。

    • 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」


    つまり、使用者側は労働者を自由に解雇することはできないのです。

    ここで示す合理的な理由とは、社会一般的にみて妥当性があるという意味合いです。勤務態度の悪さや能力不足の程度などに照らして客観的に妥当かどうかによって判断されます。仮に2~3回の遅刻だけを理由に直ちに解雇された社員が訴えを提起した場合、解雇権の濫用と判断されて会社側が負けることになると考えられます。

  2. (2)就業規則・雇用契約書への解雇事由の記載

    常時10人以上の労働者を使用する使用者は、労働基準法第89条において「就業規則」を作成し、労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。また、就業規則に解雇事由を記載することも定められているのです。

    さらに、労働基準法第15条および労働基準法施行規則第5条で、労働契約を締結する際に雇用契約書などの書面によって解雇事由を労働者に明示することが定められています。

    つまり、就業規則や雇用契約書などに記載されている解雇事由に該当しない場合、特段の理由がある場合を除き、解雇が無効であると判断されるでしょう。

  3. (3)解雇禁止事由・期間に該当していない

    疾病や出産による休業期間中の解雇など、労働基準法やその他の法律が定める解雇禁止事由や期間に該当する場合、解雇は無効となります。

  4. (4)解雇理由証明書を交付している

    労働基準法第22条では、労働者から求められた場合は、解雇理由を明示した「解雇理由証明書」を交付することが義務付けられています。

2、就業規則の周知徹底

勤務態度の悪い従業員を解雇するためには法律を順守した対応が必要です。

そのため、従業員の解雇を検討する前段階においても労働基準法第106条の使用者は労働者に就業規則を周知する義務を果たす必要があります。就業規則の中に解雇事由について記載すること、そして労働者側に内容を周知することを怠ると不当解雇と判断される可能性があるので注意が必要です。

周知は書面での配布や掲示、パソコンでのデータ共有などの方法で行われることが一般的です。どの方法であっても従業員に周知した記録を残しておくようにしましょう。

重要なポイントは、勤務態度が悪い社員に対して事前に解雇に至る根拠を明示し、就業規則に該当した際の会社側の対応を予告しておくことです。どのような場合に解雇や減給などの懲戒処分をされるのかを明示することで、問題社員の行動を抑制したり、その他の社員の問題行動を事前に防いだりできます。さらには解雇事由に抵触した場合は就業規則にのっとって対応することができます。

3、問題社員への対応

就業規則を周知徹底し、解雇や減給などの処分の事由や手続きなどについて明示しても、勤務態度が改善しない社員もいるかもしれません。その場合は、毅然とした対応が求められます。

ただし、就業規則に記載されている解雇事由に該当するとして解雇した場合でも、不当解雇であると判断されてしまう可能性があるので注意が必要です。

たとえば、以下のケースでは不当解雇であると判断される可能性があります。

  • 能力不足である社員に対して配置転換や研修などのチャンスを与えていなかった
  • パワハラやセクハラによる長期欠勤なのに、会社側が対策を講じなかった
  • 圧力を感じるほどの退職勧奨を行った


労働審判や訴訟では、使用者側が客観的かつ合理的な解雇の理由と、社会通念上相当であることを立証しなければなりません。そのため、遅刻・欠勤に対する注意指導や能力向上のための研修の実施、配置転換、業務を円滑に遂行できる環境の整備など、退職勧奨および解雇をする前に会社として講じるべき措置を実施したという実績を残しておきましょう。

また、解雇は、「会社側は勤務態度が悪い社員を更生させようと最大限努力したにもかかわらず、改善が見込まれなかった」場合に選択できる最終手段と考えた方が良いです。したがって、簡単に選択できる手続きではないことを肝に銘じておく必要があります。

4、弁護士のサポートが不当解雇のリスクを未然に防ぐ

労働審判や訴訟において不当解雇であると判断された場合は、不当解雇後の賃金などを支払わなければなりません。また、解雇が無効であると判断された、もしくは訴訟などになった時点で報道されてしまうケースもあり、会社の評判が落ちてしまう可能性が一応あります。

したがって、あらかじめ就業規則や雇用契約書の作成と見直しをしっかり行っておきましょう。さらには、問題社員への注意指導体制の整備、セクハラ・パワハラなど職場の環境整備など、不当解雇を未然に防ぐためのプロセスをしっかりと整備しておく必要があります。

就業規則への解雇事由の記載は、平成16年改正の労働基準法で義務付けられたものです。平成16年以前に設立された会社の就業規則には、解雇事由の記載がない場合や、具体的に列挙されていない場合があります。また、細かく記載されている場合であっても、勤務態度の悪い従業員の解雇プロセスが整っていない場合もあるでしょう。

万が一のケースを想定して、訴えられた場合でも会社の名誉が傷つかないように、対処法を考えておくことが好ましいと言えます。しかし、法を熟知することは非常に難しいことです。そこで、法を熟知した弁護士にいつでも相談できる環境を作っておくことをおすすめします。

依頼を受けた弁護士は、法律に適合した解雇プロセスの整備などを行います。弁護士から適切な対応方法のアドバイスを受けたりすることで、企業も社員の解雇によって発生するリスクを避けることができるでしょう。

さらには、解雇した社員から「不当解雇であるから、復職をしたい」と言われたり、賃金を請求されたりした場合は、弁護士に相談するなどして、交渉を取りまとめて訴訟を回避していくことケースもあるでしょう。労働審判や訴訟となった場合でも、弁護士に依頼して、有利な解決へと導くことが可能です。

5、まとめ

今回は、勤務態度が悪い問題社員に対して解雇や懲戒処分などを行う際に、注意すべき点や対応方法などについて紹介しました。誰もが優秀で会社に貢献できる社員であってほしいものですが、勤怠不良や能力不足などの問題社員への対応は、いつも経営者の大きな悩みです。

それでも、解雇などの対応を誤ってしまうと、経営上大きなリスクを被ることになります。不当解雇のリスクを防ぐためには、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

問題社員の対応や解雇問題でお悩みなら、ベリーベスト法律事務所・仙台オフィスまでご連絡ください。労働問題の経験豊富な仙台オフィスの弁護士が全力でサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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