借金で首が回らない人が知るべき債務整理の基本。借金問題は法律で解決可能!
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過去に、仙台市青葉区在住の男が取引先から現金をだまし取ったとして逮捕されました。男は借金返済に充てるため、取引先に架空の事業費を偽り、現金3000万円以上を振り込ませたと報道されています。
借金によって首が回らない状態になることで追い込まれてしまうケースは少なくありません。もうだめだと思ったとき、思いもよらない行動に出てしまう方もいるでしょう。しかし、借金問題は法律で解決できることがあります。
誰かにも相談できずどうしようもできないと思う前に、「債務整理」について知っておきましょう。仙台オフィスの弁護士が、借金でお困りの方に向けて、債務整理の基礎知識をお伝えします。
1、債務整理とは
債務整理とは、借金の額を減らしたり、支払期限を延ばしたりなどすることで、借金の負担を軽減させる手続き全般のことをいいます。 債務整理には主に次の4つの方法があります。
- 過払い金請求
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
どの方法が適しているのかは、借金の状況や収入、保有財産などによって異なります。次項から、それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。
2、過払い金請求の特徴とメリット・デメリット
「過払い金請求」とは、利息制限法の上限金利を超えて払っていた利息、つまりは「支払いすぎたお金」を取り戻す請求のことです。一般的に、借入期間が長期間あり、18%を超える金利などで契約していたという方は、払いすぎていたお金を取り戻せる可能性があります。
ただし、過払い金請求には時効があります。最終取引から10年を経過すると基本的に請求が難しくなります。貸金業法改正から年月が経過しているため、少しでも早く確認する必要があります。
過払い金請求を行う最大のメリットは、払いすぎた利息が戻ってくることです。すでに借金を完済していたという方でも、メリットです。また、過払い金で取り戻せるお金が、借金の残高よりも多いというケースでも、メリットです。これらのケースに当てはまり、過払い金請求の対象となっていれば手続すべきでしょう。
しかし、現在も借入が残っていて、過払い金請求によってもらえるお金よりも借金のほうが多い状態であれば、「債務整理」を検討した方が良いケースがあります。債務整理については次項で詳細に解説します。
3、任意整理の特徴とメリット・デメリット
「任意整理」とは、「お金を貸した者(債権者)と借りた者(債務者)が話し合い、月額の支払い負担を軽くする」というような手続きです。
具体的には、債務者と債権者が借金の額や支払い方法などについて交渉を行います。もし前項で紹介した「過払い金」があれば、任意整理の一環として払いすぎた利息を考慮してもらい、その分を借金返済に充てることもあります。
最大のメリットは、利息をカットするとともに元本そのものの減額が可能となるだけでなく、分割回数を増やすことなどで、月々の負担を軽くできる点です。また、整理できる債務を選択できる点も大きなメリットでしょう。たとえば、「家賃や保証人がいる借金を除いた分だけ、債務整理する」ということが可能です。保証人に迷惑をかけたくない人にも向いているでしょう。
デメリットは、元本が免除されるわけではないという点です。返済計画がなければ応じてもらうこともできないため、他の方法と比べて減額幅が小さく、安定収入がなければ利用できません。さらに、あくまでも「任意の交渉」のため、任意整理したいと申し出ても債権者が応じてくれないことがあります。
4、個人再生の特徴とメリット・デメリット
個人再生は、裁判所に再生計画を提出して認められたうえで、借金の総額を減らし、原則3年間で返済する手続きです。住宅ローンを除いた借金が5000万円以下の人に限って利用できる手続きですが、借金額によっては大幅な減額が可能となります。
個人再生は裁判所を通じて、法的に大幅な借金減額が見込め、高額な財産(主に住宅)を手放さずに手続きできることがあるため、特にマイホームを残したい人には大きなメリットがあります。
デメリットとしては、最低弁済額が定められている点でしょう。したがって、借金を全額なくすことはできませんし、任意整理と同様、安定収入がなければ認められません。返済期間中に返済できなくなると、再生計画が取り消され、借金支払い義務が復活する場合があることにも注意が必要です。
5、自己破産の特徴とメリット・デメリット
自己破産とは、裁判所で借金の返済が不可能だと認められた場合に、借金を免除してもらえる手続きです。債務整理の中では最終手段ともいえるでしょう。
自己破産をする最大のメリットは、借金が基本的に免除されることです。借金額の上限や安定収入などの条件がないため、多額の借金を抱えていて収入が少ない人でも利用できます。
他方、もちろんデメリットもあります。「返済不能」、つまりすべての借金を免除されることが認められるためには、今ある財産の多くを手放すことになります。
生活に必要な最低限の財産は除かれますが、マイホームなどの高額財産を残すことができません。さらに、一定の職業に就くことを制限されますので、職業によっては別の方法を検討する必要もでてきます。
6、債務整理の誤解。本当にデメリットなの?
債務整理には、いずれの手段を採用したとしても共通したデメリットがあります。
デメリットと聞くと債務整理をためらってしまう人も多いかもしれません。しかし、誤解が多くあります。実生活にどの程度の影響があるのかを、正しく理解した上で活用することが大切です。
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(1)個人信用情報に載る
個人信用情報とは、ローンやクレジットなどの契約に関する情報のことです。いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
日本には3社の個人信用情報機関があり、本人識別情報、契約内容、支払い状況などが確認できます。債務整理をすると個人信用機関に事故情報として載ることになります。たとえば、新規の借入やクレジットカードの作成などができなくなるため不便に思うこともあるかもしれません。債務整理を行ったという事故情報は5~10年程度で消えます。 -
(2)官報に掲載される
個人再生と自己破産については、国の広報誌である官報に、住所や氏名などが掲載されます。官報に載ることで周囲に債務整理の事実が知られてしまう確率はゼロではありません。
しかし、官報を閲覧する方法は限られていますし、あえてチェックする必要性がなければ、一般の人がほとんど手にする機会はありません。 -
(3)家族への影響
債務整理をしたことで家族に迷惑をかけると思いこんでいる方は少なくありません。しかし、むしろ、家族にとってのメリットも多くあります。
たとえば、債務整理を弁護士に依頼すれば借金の取り立てが止まるという点は非常に大きなメリットに感じるでしょう。
しかし、債務整理を考えている借金の保証人が、家族のだれかであるケースでは、大きく話が変わってきます。債務整理の結果、本人の債務が免除されたとしても、保証人の債務は残ってしまうためです。当然のことながら、保証人に対して請求が行われることになります。
少なくとも、債務整理の前に保証人へ相談しておくことをおすすめします。
7、借金問題を弁護士に相談するメリット
債務整理は煩雑な手続きが多く、法的知識の少ない方が自力で行うには非常に骨の折れる作業となります。交渉面においても、お金を借りた立場であるあなた自身が貸金業者などと直接対応する必要があります。現実的に考えても、スムーズに交渉することは非常に難しく、思うような結果とならないことが珍しくありません。
やはり弁護士に依頼することを強くおすすめします。費用面の心配でためらいがあるのでしたら、ホームページ上で明記している弁護士事務所に問い合わせてみてはいかがでしょうか。初回相談無料としている弁護士事務所は少なくありません。まずは、ひとりで問題を抱え込まず、相談してみてください。思わぬ糸口が見つかるかもしれません。
また、弁護士に債務整理を依頼することによって、前述のとおりまずは督促の連絡がストップします。この時点で、頻繁な督促連絡などによって精神的に疲労していたケースであれば、大きなメリットを実感できるでしょう。また、弁護士であれば、状況に適した債務整理方法を提案できます。
今日明日を悩むのであれば、まずは弁護士に相談してください。債務整理を行い、人生をリセットしてやり直すことを強くおすすめします。
8、まとめ
今回は債務整理の特徴やメリット・デメリットを中心に解説しました。多額の借金があっても、債務整理によって日常を取り戻すことが可能です。
弁護士への相談は敷居が高いと感じる人が多いかもしれませんが、近年は無料相談を実施する事務所が増え、気軽に相談できる環境が整っています。まずはご自身にどの方法が適しているのかを知るためにも、弁護士へ相談してみることをおすすめします。
ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスでも相談をお受けしています。借金を整理して人生をやり直すためのお手伝いをさせていただきますので、まずはご連絡ください。
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