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DVは離婚原因として認められる? 離婚調停で注意すべきポイントとは

2021年05月11日
  • 離婚
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DVは離婚原因として認められる? 離婚調停で注意すべきポイントとは

仙台市が平成27年度に実施した調査によると、女性の約3人に1人、男性の約5人に1人が「配偶者(元配偶者および事実婚のパートナーを含む)からのDV(ドメスティック・バイオレンス)の被害経験がある」と回答しています。このように、DVはとても身近な問題であることから、仙台市のホームページでは、配偶者暴力相談支援センターなど、専門の相談機関を紹介しています。
DV被害に悩む場合には、おひとりで悩むことなく、まずは相談機関に相談して、ご自身や子どもの身の安全を確保することが重要です。

DVが原因で離婚を決意した場合は、離婚の進め方をしっかりと考えていくことが大切になります。
本コラムでは、DVを原因として離婚を検討している方が、どのように離婚を進めるべきか、そして離婚調停をする場合に注意するべきポイントについて、ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスの弁護士が解説します。

1、DVは離婚原因として認められる?

配偶者が離婚をかたくなに拒否した場合でも、DVを理由として離婚することはできるのでしょうか。

  1. (1)DV(ドメスティック・バイオレンス)とは

    DVとは、配偶者やパートナー(事実婚および元配偶者も含む)などの親密な関係にある、または親密な関係にあった者からふるわれる暴力のことをいいます。
    DVの多くは家庭という密室で行われるため、DVを受けた当事者が第三者に相談しなければ発覚しにくいものです。配偶者などからDVを受けていても、相手の怒りを静めるために謝ったり、相手が暴力をふるうのは自分が悪いからかもしれないと自分を責めたりするなど、正しい判断ができなくなってしまっている場合、事態が一層深刻化してしまう可能性があります

  2. (2)DVにあたる行為

    DVと聞くと、殴る、蹴る、髪をひっぱるなどの身体的暴力が典型的なイメージとして浮かぶかもしれません。しかし、このような身体的暴力に限らず、次のような行為もDVにあたると考えらます。

    ● 精神的暴力
    大声で怒鳴る、話しかけても長い間無視する、「誰のおかげで生活できるんだ」「役立たず」など人格を否定することをいうなど

    ● 経済的暴力
    必要な生活費を渡さないまたは勝手に使う、家庭の外で働くことを禁止するなど

    ● 性的暴力
    性行為を強要する、意に反してアダルト雑誌やビデオを見せる、避妊に協力しないなど

    ● 社会的暴力
    友人や家族などとの接触を制限する、携帯電話やメール等を細かく監視するなど

    ● 子どもを利用した暴力
    子どもの前で暴力をふるったり非難・中傷したりする、子どもへの暴力をほのめかすなど
  3. (3)DVと法定離婚事由

    離婚する方法のひとつとして、夫婦両方が離婚することに納得し、自分たちで離婚届に署名押印して役所に提出する方法があります。これを、協議離婚といいます。しかし、夫婦間にDVがあるようなケースでは、離婚話を切り出せば相手が逆上し、事態が悪化するリスクもあるので、協議離婚を成立させることは難しくなることが多いといえます。

    相手が離婚に同意しない場合や夫婦間での話し合いに応じない場合は、裁判所を利用して離婚成立を目指すことになります。裁判所を利用する方法には、主として調停離婚裁判離婚という2つの方法があります。

    調停離婚とは、家庭裁判所の離婚調停で、夫婦両方が離婚に納得して合意し、家庭裁判所が調停を成立させる方法をいいます。調停離婚は、夫婦双方の合意がなければ成立しません。そのため、DV加害者である相手が離婚に同意しない場合には、次のステップとして、裁判離婚の成立を目指すことになります。

    裁判離婚とは、夫婦の一方が、家庭裁判所に離婚を求めて裁判を起こし、裁判所の判決で離婚を認めてもらう方法をいいます。裁判で離婚を認めてもらうために重要になるのが、DVが法律で定められた離婚原因(「法定離婚事由」といいます)に該当するかどうかという点です。

    法定離婚事由は、民法第770条1項において5つ定められています。

    • ① 配偶者に不貞な行為があったとき
    • ② 配偶者から悪意で遺棄されたとき
    • ③ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
    • ④ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
    • ⑤ その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき


    DVは、直接的に法定離婚事由として定められているわけではありません。しかし、DVを主な原因として「⑤ 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると認められた場合には、離婚の成立が認められる可能性はあるでしょう。

    DVが「⑤ 婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当すると認められためには、暴行に関する診断書、怪我の写真、DVを記録した日記、メモ、録音、DVについてやりとりをしたLINEのメッセージ履歴など、さまざまな証拠を駆使して、DVにより客観的に夫婦関係が破綻していて、回復の見込みがない状態にあることを主張していく必要があります。

2、DVで離婚するときに利用したい「離婚調停」とは

DVを原因として離婚を決意したものの、当事者だけの話し合いによる協議離婚の成立が難しい場合には、まず「離婚調停」を申し立てて、調停離婚の成立を目指すことになります。

  1. (1)DVによる離婚の場合、協議離婚は難しい

    DVを受けている場合、当事者だけの話し合いで離婚を成立させることは困難なことが少なくありません。
    当事者だけの話し合いによる協議離婚が難しいときは、離婚調停を家庭裁判所に申し立てることになります。すぐに裁判を起こしたいと考えた場合でも、原則として調停を経なければ裁判を起こすことはできません

  2. (2)離婚調停とは

    離婚調停は、正式には「夫婦関係調整調停」といいます。
    主として裁判官と家事調停委員から組織される調停委員会を介して、夫婦が離婚や離婚条件について話し合い、合意を目指す手続きです。調停委員会は、夫婦双方の話を聞いた上で解決案を提示したりアドバイスを行ったりはしますが、離婚や離婚条件を決めるわけではなく、あくまでも話し合いによる解決を目指す場となります。

    具体的には、調停期日に家庭裁判所に出頭した夫婦それぞれに対して、家事調停委員が中心となって個別に意見を聞いて折り合える点を探ります。出頭した夫婦が顔を合わせることのないように、裁判所の中で待つ場所も別々に設けられており、出頭時間をずらすなどの対応も可能です。1回の調停期日で離婚や離婚条件の合意が成立することは少なく、複数回の期日を重ねて合意を目指すことになります。

    夫婦双方が離婚や離婚条件に合意できれば調停成立となり、「調停調書」が作成されます。多くの場合、調停の場で離婚をすることに合意するため、調停成立によって離婚が成立します。その後、調停調書の謄本をそえて、役所に離婚届を提出する必要はありますが、あくまで報告的な離婚届ということになりますので、調停が成立した段階で、離婚は成立します。

    子どもの親権を獲得した場合に、相手方より収入が低ければ、調停調書に、子どもの養育費を毎月支払う旨の条項が加えられます。
    相手方が養育費を支払わない場合に、強制的に養育費を回収する手段として、強制執行があります。相手方が勤務先に対して有している給料債権を差し押さえることができれば、相手方が同じ勤務先に雇用されている限り、継続的に養育費の支払いを受けることができます。

    しかし、相手方が転職していれば、勤務先に対する給料債権を特定することは困難となるでしょう。その場合、弁護士に依頼することにより、相手方の勤務先を特定できる可能性が高まります。

    調停での話し合いが不調に終われば調停は不成立となり、離婚裁判を起こすことになります。離婚裁判では、裁判官の判決で離婚の可否が判断されることになります。

3、離婚調停に向けて押さえておきたいポイント

離婚調停を申し立てるにあたり、どのようなことを念頭において準備を進めるべきなのでしょうか。ポイントを解説します。

  1. (1)証拠を確保しておく

    離婚調停で、家事調停委員や裁判官に主張を認めてもらうためには、客観的な証拠の存在が何よりも重要です。DVがあったといくら主張しても、加害者側がDVはなかったと主張した場合には、第三者である家事調停委員や裁判官は、客観的な証拠によって判断するほかないためです。
    また、調停不成立となり離婚裁判で争う場合にも、法定離婚事由に該当するかどうかは客観的な証拠に基づいて判断されるため、証拠を確保しておくことは非常に重要になります。

    DVの事実を裏付ける証拠としては、怪我の診断書や写真、日々の出来事や暴力について記録した日記や録音、LINEなどのやりとり、警察に相談した際の記録などがあります。少しでも証拠になり得そうなものは、すべて確保しておくようにすると良いでしょう。

  2. (2)心身の安全確保を優先する

    DVは、状況によっては生命の危機につながることもあります。一方で、配偶者から心理的に拘束された状態であることも多いため、自宅内にとどまることで離婚が進めにくくなることも少なくありません。心身の安全を確保し、落ち着いて離婚調停に臨むためにも、別居といった対応が必要になるでしょう
    実家などの身を寄せる先がない場合、配偶者暴力相談支援センターでは、加害者から被害者を守るために、一時保護やシェルターと呼ばれる保護施設の情報提供などを行っていますので、相談してみることをおすすめします。

    なお、生命身体に危害を受けるおそれが大きい場合は、配偶者暴力相談支援センターの職員または警察職員に相談などをした上で、裁判所に「保護命令」を申し立てることで、6か月間の接近禁止命令、引っ越し準備などのための2か月間の退去命令、6か月間の電話等禁止命令などをだしてもらうこともできます。ただし、緊急性を要するほどの危機を感じた場合は、すぐに警察へ連絡し保護を求めるようにしましょう。

  3. (3)弁護士に相談する

    離婚調停を有利に進め、早期の離婚成立を目指すのであれば、弁護士に相談することをおすすめします。離婚調停に際して弁護士に依頼するメリットは後述しますが、弁護士に相談することで状況が整理され、離婚への道筋が明確になります。

    また、保護命令の申し立てや警察との連携など、ご自身を守るための行動についてもアドバイスやサポートが受けられるので、安心して離婚調停に臨むことができるでしょう
    配偶者と直接交渉する必要が生じたときでも、弁護士は代理人として交渉を進めることができるので、配偶者と接する必要がなくなります。配偶者と話すと言い含められてしまう、情に流されて復縁したが、DVが再発するなどの事態も避けることができるので、精神的にも非常に重要といえます。

4、離婚調停に臨む場合は弁護士に相談を

では具体的に、弁護士に依頼することで、離婚調停においてどのようなメリットが得られるのでしょうか。

  1. (1)的確なアドバイスを受けられる

    調停では、第三者である家事調停委員に対して、自分の気持ちを整理して説得的に話すことが求められます。多くの方が、「調停でどのようなことを話せば良いのか」「相手の主張に対して反論できるか不安」など、対応に戸惑うことでしょう。弁護士に相談いただければ、事前の準備や対応に苦慮した際に、都度的確なアドバイスを受けることができます。

    また、離婚調停では、基本的にご自身で家事調停委員に話をしなければなりません。しかし、弁護士に依頼すれば、弁護士がその場に同席することも可能です。また、出頭が難しい、出頭して話したいと思わないというケースでは、弁護士が代理人として出頭することもできます。

    調停前に弁護士からアドバイスを受けられることや同席をしてもらえることで得らえる安心感は、大きなメリットといえるでしょう。

  2. (2)適切な離婚条件を決めることができる

    DVを原因として離婚をする場合、配偶者に対して慰謝料を請求できる可能性があります。また、子どもの養育費、財産分与などの配偶者に請求できるお金についても、主張することが大切です。
    ご自身だけで調停に臨んだ場合、配偶者と早く離婚して縁を絶ちたいと思い、請求できるはずのお金を請求しないまま離婚してしまうといった事態も考えられます。また、配偶者の主張に押されてしまい、不利な条件に応じてしまうということもあるでしょう。

    しかし、離婚後は人生を立て直して、新しい生活を始めていかなければなりません。請求できるお金をしっかりと主張していくことは、非常に大切なことといえるでしょう。弁護士がいれば、適切な主張を行うことができるので、不利な条件で離婚することを避けることができます

    また、離婚調停が不成立になった場合にも、弁護士は調停の流れをふまえて離婚裁判で有利な判決を得られるように活動し、離婚成立まで徹底的にサポートします。

5、まとめ

本コラムでは、DVを原因として離婚を検討する方に向けて、離婚調停で注意すべきポイントを解説していきました。
DVが原因で離婚を検討する場合には、ご自身の状況に応じた適切な行動をとることが重要です。まずは弁護士をはじめとする第三者や行政機関などに相談することが、大切な一歩になります。

ベリーベスト法律事務所 仙台オフィスでは、離婚問題を解決するために、弁護士が全力でサポートします。DVは相談がしづらく、抱え込んでしまうことで状況が悪化することも少なくありません。仙台オフィスでは、プライバシーにも配慮しており、安心してお話しいただける環境を整えていますので、おひとりで悩むことなく、ぜひお気軽にご相談ください。

仙台オフィスでは、宮城県内だけではなく、福島県、山形県、岩手県、秋田県、青森県にお住まいの方からのご相談も受け付けております。また、ご来所いただくことが難しい場合は、電話・テレビ会議を利用した、自宅相談も対応可能です。詳しくは、『自宅からの弁護士相談』をご確認ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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